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モータージャーナリスト先川知香さんが観たiBのほんとうの姿

 
 
2020.05.25

 先川知香さんが観たiBのほんとうの姿  第2回

未来志向の内燃機屋さん「井上ボーリング」では、いったいどのような人たちが、どんな仕事をしているのでしょうか。実際に、インタビューをさせて頂きました。
 
インタビュー2人目は、工程管理部長の市川 信行さんです。

工程管理部長 市川 信行(いちかわ のぶゆき)さん



物静かで黙々と作業をこなす、「 THE 職人」。市川さんの前職は、結婚式関連の装飾品をデザインする木工メーカーで、生産管理の仕事をしていたそうです。
 
前回インタビューをさせて頂いた小林さんに続き、またしても全くの異業種からの転職組み。職人といえば、若いころからその仕事を一筋に極めてきた人でないと、なかなかその道に入るのは難しいというイメージを持っていた私にとって、この事実はかなり新鮮なものでした。
 
そんな市川さんが井上ボーリングで働くことになったきっかけは、趣味のバイク。
ブラック企業と言っても過言ではない労働環境に限界を感じ、転職を考えた時に、できれば好きなことを仕事にしたいと強く思った市川さんは、ハローワークで井上ボーリングの求人を発見。「井上ボーリングがハローワークに定職の求人を出している !! 」と感動し、ダメもとで応募してみたそうです。

 
「年齢も結構いっているし、未経験の業種に採用してもらえるとは思えないけど・・・。」
そう思いながらも面接を受けたところ、無事に採用。憧れの井上ボーリングに入社することになりました。
 
以前から雑誌で井上ボーリングのボアアップなどのチューニング記事を見ていた市川さんは、入社後初めて任されたボーリングの仕事に「おお。すげえ!俺ボーリングやってる」と感動したそうです。
 
趣味でバイクをいじっている時に、パーツを折ってしまうなど、どうにもならなくなった状況を何とかしてくれる会社というイメージそのままの作業を仕事としてできる環境に、今でも「よくこんな会社に入れたな」と、しみじみと噛み締めることがあると嬉しそうに話してくれました。
 

 
そんな市川さんの現在の業務は、前職での経験を活かした工程管理と、シリンダーヘッドのオーバーホール。古いバイクに乗り続け、エンジンの音がうるさくなってきたなど、ガタが出てきてしまった状態を、バルブ回りなどをリフレッシュすることで改善する工程を担当しています。
 
ヘッドの担当は、機械があれば誰でもできるというものではないので、内燃機屋で働いていると自信を持って言える仕事だと言う市川さんの話のなかで、特に印象的だったのは、
「ある程度の年齢になって、自分で愛車の GS をいじり始めた時に、転職しても今更こういう仕事には就けないけど、次の人生があるとしたら次こそはこういう仕事に就きたい。そう、漠然と思っていたことが、思いがけず叶ってしまったんです」
 
「自分が趣味でやっていたバイクいじりが仕事になって、趣味レベルでは解決できなかったようなトラブルも解決できるようになり、お客さんの困っている部分にもなんとなく対応できる自信がついてきました。社長には申し訳ないのですが、すごく今が充実していて、この仕事をずっと続けていきたいと思っています。」
 
 

 

文/モータージャーナリスト 先川 知香