How to MAKE The First Tantrum
初めてのタントラム 4  

最後に書いてから10ヶ月もたってしまいましたが、タントラムのまとめをしておきます。

なぜ書くことができなかったか。(僕の迷い)

実は初めてのタントラム 3を書いた後シーズンに入ったわけですが、当初タントラムはなかなか好調だったんです。おもえば、あのころ最後まで書き上げてしまえばよかったんですが、その後ロシアへ行ったときも大会こそ暗くてメイクできなかったものの、練習では何回もメイクできて調子は良かったんです。ところが8月の関東ブロック大会の直前にあろうことかタントラムの着水で後ろ足首を捻挫してしまいました。それ以来タントラムのメイク率ががっくり下がってしまって、ちょっとHOW TOを書ける気分ではなくなってしまいました。

怪我の原因

これはみなさんにとって大事なことだとおもうので、一応怪我の原因を分析しておきます。
結論から言うと、ぼくは大きなタントラムを狙って少しエッジを残すようなタントラムをしていたんです。こうすると、リープするときにどうしてもいくらかボードが加速して板が立った様な形で飛び出していくようになります。それで着水のときには体重が後ろ脚側に残りやすくなり、後ろ脚に過大な負担がかかりやすくなるのです。
このことはこの記事を書く当初から気付いていたことで、あとで解説しようと思っていたのですが、その前に自分が実地で体験する結果となってしまいました。これがあるから、タントラムではボードをフラットにしてスイッチして飛ぶ方法をお勧めしたかったんです。
もちろん、プロライダーのなかにははっきりとエッジを残してタントラムをするタイプのライダーもいます。そのタイプの飛び方はインディータントラムに行くのに向いているといわれています。(ジョニーもそういうタイプのようです。)エッジを残して飛んだときにもしっかり前脚に乗って着水するような飛び方を習得できれば、それはそれでいいのだと思いますが、タントラムを初めてメイクするまでの段階では、そのように自由に飛び方をコントロールすることはできないわけですから、フラットなスイッチをする飛び方で安全に初メイクをしておいて、それからエッジを残すような飛び方を覚えるのが正しい順序だろうと考えます。ちなみにワーリーバードに行くにはフラットな飛び方がいいと言われています。

僕にとってのタントラム

そういうわけで、僕にとってはタントラムというのは頭の痛いトリックになってしまったのです。どうもまた怪我をするのではないか、という気持ちが今日の時点では抜けていません。まあ、なんとか克服したいものです。ただ言っておきたいのは、それでは僕はタントラムが嫌いなのか、というとそうではないんですねー、これが。タントラムはなんというか決まるととっても気持ちがいいトリックなんですよ。バックロールよりはカッコいいような気がしますね。
それと、実は僕はここ3年間関東ブロック牛堀大会の決勝の日にみんなの前でタントラムをやって失敗したことがないんです。(えっへん!)なにしろ生まれて初めてメイクしたのが、96年の牛堀決勝の日でした。2nd.passを完走した後、ピット前の「おいしいゾーン」でえいっとばかりにやったらできちゃったんです。これは最高にたのしかったです。97年も1st.passの最後にメイクできて一気に気分が高揚して2nd.passも完走して2位になれたし、98年も怪我した脚で無理やりやったら、ひどく小さかったけど、なんとかメイクすることができ、おかげで3位に滑り込むことができました。というわけで、僕にとっては大好きなんだけど、同時にウェイクに向かっていくだけで胸がどきどきしちゃうのが、「タントラム」というトリックなんです。
おっと、話がすっかりHow toから離れて自慢話しになってしまいました。すいません。

失敗例と対策

以前に対策を書くと書いてしまっているので、一応考えられる範囲で書いて見ます。

1. 回転が足らず、爪先側のエッジからボードが刺さっていく場合。
これはまだタイミングが早すぎ、十分なジャンプの高さと対空時間が得られていないのです。回転がたらないという風に考えず、もっと待ってウェイクの中から飛び出すつもりで真上に飛んでみましょう。

2. 後ろ足一本に大きな衝撃があって、こらえられない。
これはさきほど書いた通りにエッジが残った飛びだし方をしているとこのようになりやすいのです。このまま前脚にの乗る方法をトライするのも一つの方法ですが、僕はウェイクの前でボードをフラットにしてボードをウェイクと平行なところまで回してからジャンプするように飛び方を変えることをおすすめします。

3. ボードがリバート方向へ回ってしまう。
これは飛び出すときにハンドルを離した方の肩を開きすぎてしまうためにおこります。もともとウェイクに対してボードが角度をもったまま飛び出す瞬間に振り向いて飛び出すような方法だとこうなりやすいのです。これを防ぐためにも、前述の通りフラット&スイッチでやってみましょう。

4. 回りすぎて後ろへ転んでしまう。
ここまで来れば、タントラムメイクもあと一歩です。十分な高いジャンプができているのですから、着水前にしっかり腕を引き付けて、できれば水面を早く見つけ、そのあと顔を起こしてボートの方が見られるようならさらに安定するでしょう。
ちょっと解説が簡単かも知れませんが、これでタントラムについての解説は終りにしたいと思います。もし説明不足な点があれば、なんなりとご指摘ください。また、何か確実にする方法とか自信ができたら補足したいと思います。それでは、また!

99.2/3


Sotaro Inoue
井上 壮太郎
SOTAROS@ocean.or.jp
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