How to MAKE The First Tantrum
初めてのタントラム 3
画像の入手ができたので、続きを始めます。 タントラムのシークェンス Approach Switch or One-Motion ウェイクに近づいたところで、ボードをフラットにします。ふたつの方法=スイッチ/ワンモーションのどちらの方法でタントラムをするにしても、ボードはフラットであるべきだ、というのが僕の考えです。ウェイクボードマガジンの98年4月号ではこのどちらでもない、エッジをたてたショートアプローチのタントラムについても紹介されていますが、これには僕は反対です。その理由は別の章でじっくり検討したいと思います。ここでは僕の考える安全なタントラムの方法で話を進めます。ジョニーのタントラムは僕の言うふたつの方法のウチでは、ワンモーションのタントラムに属すると思います。ボードをフラットにしてから、ボードの方向を回すというような動きはほとんどなく、そのまま体だけが方向を変えて伸び上がっていきます。それでも、ロールの時などにくらべると、ウェイクに当たるときには体がほぼ垂直に起きてもうボートと引っ張り合ってはいないことが、この写真でもはっきりわかると思います。ですけれでもジョニーの場合はわずかにエッジが残っているようです。それがわかるのは実は3枚目の写真です。エッジが残っていると、飛び出しでボードの前があがって縦になってしまう度合いが強いんです。フラットで入ると、前があがりません。 The instant of LEAP
写真は全て肉丸クンこと佐藤勝之さんが昨年5月SOTARO'sでジョニー・キングを呼んだ時に撮影してくれたものです。
それでは、まずいろんな分析をする前に、ジョニーの写真を見ながら、タントラムをやる手順をみてみましょう。
バックロールでは最後のリープする瞬間の加速を大事にするためにショートアプローチの練習をしましたが、タントラムでは逆にワイドアプローチです。その理由は最初の回に書いた通り、僕の考えではタントラムではエッジを戻しボードをフラットにし、ボードの向きを変えてから飛ぶ必要があると思うからです。ボーダーはボートと引き合って加速をするのをやめた瞬間から、減速していきます。つまりエッジを戻してボードの向きを変えている間にも横行きのスピードを失ってしまうのです。そのために、その前の時点で十分に加速して、ウェイクを飛び越すのに十分なビッグなエアーを得られるだけのスピードを得ておく必要があるんです。これが、タントラムではワイドアプローチを行わなくてはならない理由です。
十分にワイドな位置へ出たら、ここであわてないことがいいエッジングをするために、とても重要です。
外へ向かってのエッジングをやめたら、そのままなにもせずずーっと待っていてください。待っていると、次第にボードがスピードを失って沈んできます。それでも、まだそのまま待っていてください。そうすると、「こんなに遅くても滑っていられるんだ!」と驚くほどゆっくりになっても、板は結構走っています。この状態からゆっくりとボードを回し込むんです。こうすると、ボードが沈んで、深く水に食い込んでいるので、ほんとうに深いエッジングが可能になります。スピードに乗ってピュンとワイドに出るば出るほど、待っている時間も長くなります。ながーくボートに引かれもせず、滑っていられることを、楽しんでください。ジョニーのボードが深く深く水をえぐっているのがわかると思います。そして、ボードがすごく立っていますよね。これがエッジングの目標です。
このような深いエッジをたてまま、上半身を垂直に保ち、加速を続けます。ボードのスピードはどんなに深く立てても、一瞬ではたいしてスピードが乗りません。長く引けば引くほど、ぐんぐんスピードが乗ってきます。ちょうどこのジョニーに写真のポジションのまま、長くキープするようにします。はじめはこの加速とただの2ウェイクジャンプだけの練習も十分行った方がいいでしょう。ワイドアプローチからスピードをのせて、しかもウェイクにヒットする瞬間は体を起こし、全身を垂直にして、ボードをフラットにして飛ぶ練習をします。今までにないビッグエアーができるまで練習します。ボードをフラットにすることばかり考えていると、十分に加速する前にボードをフラットにしてしまいます。これでは十分なスピードが得られないので、ウェイクの直前までは加速を続けるようにします。
スイッチするタイプのタントラムではワンモーションの場合よりは早めにボードをフラットにし、後ろの手を離します。そして肩をウェイクと平行にしてタイミングを待つ間にボードもウェイクと平行になる方向へ回ってきます。十分に待ってウェイクのリフトを感じてから真上に伸び上がるようにします。
ワンモーションの場合は、ウェイクの直前まではエッジをたてたまま入っていき、ウェイクにヒットするときに体を起こし片手を離しながら、肩をウェイクと平行に向けつつ伸び上がります。このときに上半身を激しく動かすと、その慣性で空中で体がリバート方向へひねれていってしまいます。ワンモーションの難しい点はここだと思います。ふたつのやり方の長所短所をまとめると、
スイッチ=より安全だが、タイミングがむずかしくなり、とびにくい
ワンモーション=飛びやすく大きなタントラムができるが、リバートしやすい
ということになると思います。
どんなトリックでも一緒なんですが、伸び上がるときに重要なことは方向とタイミングです。方向は真上に、タイミングは早くならないように。これは全てのトリックで共通ですね。だけど、これができないんだ。高くジャンプをするためには、どんなトリックでもこの瞬間だけは体が真上に伸び上がっていかなくてはならない、ということは絶対に必要なことなんですね。これができれば、滞空時間が伸びて大きなジャンプができるからどんなトリックでも簡単になるわけです。では、タントラムの場合にはどのような意識で飛べばいいかというと、後ろへ回ろうという意識をなるべく持たないようにします。タントラムではたいていの場合、回ろうとして、背中の方に倒れた方向で飛び出してしまうようです。伸び上がるときには空を見て、まっすぐ真上に飛び上がるようにします。そうすると、回転は自然におこります。体を背中の方へ大きくそるようなタントラムをする人もいてかっこいいですけど、とにかく最初はまっすぐ体を真上に伸ばしてみましょう。ちなみにジョニーのこの写真はインディータントラムなので、普通のタントラムに比べると少し後ろに伸び上がっているように見えます。ボードをつかみにいくためにはボードが体の前に跳ね上げられなくてはならないからだと思います。
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