How to MAKE The First Tantrum
初めてのタントラム
Tantrum
タントラム
はじめに
さて、それではお待ちかねの「初めてのタントラム講座」を始めたいと思います。その前にこのホームページのHow to make the First Back Rollにはもう目を通してもらいましたか?どんなインバーティッドトリックをするにしても共通の、重要な話題について書いてありますので、ぜひ目を通しておいてください。それを前提にこのあとの話を進めていきます。
タントラムというのはどういうトリックなんでしょう?
僕はなにごとも、まずやろうとしていることがなんであるのか、その全体像を掴んでおきたくなる性格なんです。やみくもに練習する前にまずタントラムってなんなんだ?というところをおさえておきましょう。
それでは、まず最初は定義から。
JWBAルールブックより
Tantrum タントラム(BSからのアウトサイドロール) 1100 ポイント
この定義だけではどういう動きをすればいいのか、ちょっとわかりませんね。でも、今はみんなタントラムがどういうトリックかはもうわかっていますよね。ビデオとかここの写真なども参考にしてみてください。
定義ではアウトサイドロールという言葉で表現されていますが、これは通常のロールとは回転の方向が逆になるということです。さて、ここで思い出してもらいたいんですが、通常のバックロールはリープする瞬間にボードが加速する動きの延長上に回転するトリックでした。そして、僕が解説したバックロールのやり方はそのリープする瞬間のボードの加速する力を最も有効に引き出すやり方でした。ところが、タントラムがその回転と動きが逆だということは、この「ボードの加速」をタントラムで使うことはできない、ということが想像されると思います。その通りなんです。
ここが、ロール系のトリックとタントラム系のトリックとの根本的な違いです。ロールのためのジャンプの仕方とタントラムでのジャンプの仕方がちがうことも、バックロール講座の方で少し触れました。ロールでは最後までエッジングすることがなにより重要な事でした。ところがタントラムでは、なんとテイクオフよりも以前にボードをフラットにしておかなくてはならないのです!まったく、なんということでしょう!つまり、バックロールとタントラムでは回転に入る方法もその原理もまったくちがうのだ、ということになります。まとめると、
バックロールはボートと引っ張り合って加速するボードの方向に回るトリック。
それに対してタントラムはそれとは逆方向に回転するトリック
であるということです。ですから、タントラムではウェイクにヒットする前にボードがフラットになっていなくてはならないんです。また、回転する方向の関係で理想的にはボード(板)がボート(船)の進行方向と平行になっている必要があります。そのためにもボードをフラットにする必要があり、そこでボードの方向を変える操作が行われます。この板をフラットにして板の向きを変えることを「スイッチする」と表現する場合があります。これは、いわゆるボードをフェイキーに乗る「スイッチスタンス」とは意味が違うので、混同しないようにしてください。エッジングしての加速状態から、フラットなボードでスイッチしてから伸び上がるという、比較的短時間でのこの動きがタントラム成功のひとつの鍵になっています。
また、板がフラットになっていることが、足首への負担をやわらげ、回転する方向を正しくするためにも、必要なことなんです。まずはこのことを覚えておいてください。
タントラムが「かっこいい」理由
最近、ウェイクボードメーリングリストでも、見た目はタントラムがかっこいい、最初にやるならタントラムをやりたい、ということが話題になっていました。タントラムがかっこよくみえる理由というのも、実は上に述べたことに原因があるように思います。つまり、バックロールの場合にはアプローチしてきたその動きの延長上に空中へと動きが連続していくわけで、見る者の予想通りにトリックが行われていくと言っていいと思います。ところが、タントラムの場合には、エッジを立ててアプローチをしてきたライダーが突然エッジをもどして、それまでの動きとはまったく関連のない方向へ、突然身を翻して空中に飛び出すわけです。見る者の予想を完全に裏切る動きと言っていいでしょう。しかも一般にロールの場合よりはずっとワイドな位置から思い切って加速をしてくるために動きが大きいということもあると思います。みていてハッとするような感じがあって、確かにかっこいいですね。
ということで、ここまででもタントラムが他のトリックとは際だってちがうトリックなのだということが明らかになってきたと思います。
さて、その上でバックロールかタントラムかあるいはその他のどんなトリックをはじめてのインバーティッドトリックとして練習していけばいいのか、という問題があります。それについては一応、僕の考えをバックロール講座の方で示していますけれども、「タントラムがかっこいい!」とほんとうに感じている人はタントラムからはじめてもいいのではないかと思います。やっぱり自分の意欲とかイメージしているものが、一番大切ですからね。でも、バックロールとタントラムは上のように、そのやり方がまったく違っていますので、できればどちらかに絞ってトライして、どちらかがある程度しっかりとできるようになるまで、両方いっぺんに練習するというのは避けた方がいいように思います。
この後の予定
今週末時間が無くて、ここまでしか書けませんでした。
このあとは、
>なぜわりと大きく幅出る必要があるのか
>なぜ着水時に後ろの足首(時には前の足首)に負担がかかるのか
>実際に練習する手順
> 「スイッチ」について
> タイミングのとりかた、伸び上がり方、
>失敗例と対策。
>僕のタントラム
ここらへんについて僕がおもってることを書いてみようかと思っています。
気を持たせて申し訳ありませんが、今回はここまでです。次回は上に述べたような技術や練習方法について順番に取り上げていきます。まあ、シーズンインまでにはもう少し時間があると思いますから、じっくりとおつきあいください。(^^) 98.3/8