How to MAKE The First BACK ROLL
初めてのバックロール 4  

 匿名希望 M.I.さんよりご質問をいただきました。
え〜と、私はグーフィースタンスのライダーです。
BSバックロールをする際に通常のビデオなどを見ていると着水の際にボードのかかと側よりのサイドから着水しているようですが、私がハンドルを体の真ん前に置いておくと体がひねれてしまってどちらかというと爪先側から落ちてしまいます。左手(後ろ側の手)を離してやればかかと側から落ちるのですが片手を離してはいけないでしょうか?
あと、回転を始める時に見る方向の「後ろ」が良く解りません。前の肩越しに後ろを見ると体が開いてしまいそうで、、、私は首を固めて前の脇の下から空を見るように回転を始動するのですが、このやり方ではまずいでしょうか?

M.I. 1シーズンのにわかライダー

 

SOTAROよりの回答

まず、僕のバックロール講座ですが、僕がやってみて、できるようになった方法を公開しようと言うことで、これが唯一のやり方だ、ということではありません。
ロールをトライする人に一つの考え方の指標を提示しようと言うことです。

ですから、なにもかも僕の言うとおりにやる必要はありません。
ロールというのは、ともかく飛んで、後ろの方に回って、足が頭より上がってから着水すればそれでいいのです。

このことを指摘した上で、ご質問の件にお答えします。

>BSバックロールをする際に通常のビデオなどを見ていると着水の際にボードの
>かかと側よりのサイドから着水しているようですが、私がハンドルを体の真ん前
>に置いておくと体がひねれてしまってどちらかというと爪先側から落ちてしまい
>ます。左手(後ろ側の手)を離してやればかかと側から落ちるのですが片手を離
>してはいけないでしょうか?

ランディングまで両手でハンドルを持っていることには明らかなメリットがあります。
ランディングでは完璧なバランスで着水できるとは限りませんが、両手でハンドルを
しっかりと引きつけておければ、少々の崩れはリカバリーできます。
着水に成功しているのに、ハンドルを持って行かれてしまうというのは、誰でも
経験することでしょう。
また、空中でも両腕で腰の近くにハンドルを引きつけておけると、ハンドルを中心に
回転していく感覚をつかむことができます。

片手になるとこの反対に、ハンドルが身体から離れやすくなります。
ハンドルが身体から離れると、ロープがたるみやすく、バランスを崩し、
回転力をロスすることにもなります。
M.I.さんが片手でロールすることに別のメリットをみいだしているので
あれば両手でやらなくてはいけないということはありません。上で述べたデメリットを
他の方法で克服して、片手のメリットを活かせばいいんです。
僕もフロントサイドのバックロールになると、片手でやることに一定の意味があるの
ではないか、と想像しています。

ただ、一般論としては、僕は両手でやることをおすすめしたい、と思います。

実際ロールのやり方も人それぞれですね。峠プロのロールなんて、一度、リバート
しかけてから戻ってくるような感じです。M.I.さんも身体がひねれてしまう
ということですから、その点は参考になるのではないでしょうか。

>あと、回転を始める時に見る方向の「後ろ」が良く解りません。前の肩越しに後
>ろを見ると体が開いてしまいそうで、、、私は首を固めて前の脇の下から空を見
>るように回転を始動するのですが、このやり方ではまずいでしょうか?

上でも書いたように、ロールの回転方向も人それぞれのようです。
ですから、採点上バックロールと判定される範囲内であれば、どの方向に回転しても
また、どのように回転を始動してもまったく問題ないと思います。

ただ、ぼくのやり方のバックロールは、幅無しジャンプによるテイクオフの瞬間の
「ボードの加速」を最大限に活かした方法なんです。
そのためにはボードが進んでいく方向に従ってその方向に回ってやる方が
効果的であることは言うまでもありません。
ボードは加速による「ボードの向きの方向」とエッジングに対して「反発する力の方向」が
「合成された方向」に飛び出していこうとします。これに素直に従うと、ボードは
ボートから離れつつ、ボードのトップに向かう回転をはじめます。
頭を振り込む動作はこれを邪魔しないで少し助けてやるだけです。

寺田プロは僕にアドバイスとしてあまり頭で振り込まない方がいい、と
言っていました。飛ぶときに腰を真上に延びあがらせる方がいいということでした。
この方がロールに高さが出るようです。つまりあまり回転を自分でまわそうとしない、
ということだと思います。とすれば、なおさらボード自体が発する力を有効に
使う工夫が必要なのではないでしょうか。

そういう点で、僕のやり方ではあのような振り込み方をするようにしています。
ただ、この表現はむずかしくて、方向をうまく表現することができません。
ボードの動いていこうとする方向をイメージしてやると、うまく行くのでは
ないでしょうか。

以上、僕の考えを述べてみました。参考になればさいわいです。
言葉では伝えきれないこともあると思います。
スクールを開催していますので、そちらにもご参加ください。
お待ちしております。

M.I.さんより

ご丁寧な回答大変ありがとうございました。とても参考になりました。
この内容を十分把握して今シーズンも頑張ってみたいと思います。
At 9:19 AM 97.3.19 +0900, Soutarou Inoue wrote:
Soutarou>あれば両手でやらなくてはいけないということはありません。上で述べたデメリットを
Soutarou>他の方法で克服して、片手のメリットを活かせばいいんです。
しばしば通常の2Wジャンプであっても片手でリカバリしてしまう事が多い
(体が開いている方がリカバリが楽なため)ので、元々ジャンプの安定性が
不足しているのかも知れません。

Soutarou>実際ロールのやり方も人それぞれですね。峠プロのロールなんて、一度、リバート
Soutarou>しかけてから戻ってくるような感じです。M.I.さんも身体がひねれてしまう
Soutarou>ということですから、その点は参考になるのではないでしょうか。
この、「峠プロ」のロールと言うのをビデオなどで見かける機会がありま
せん。どこかに参考になる資料(一般に入手可能な)があれば良いのですが
全体に情報量が少なくて、、

Soutarou>そういう点で、僕のやり方ではあのような振り込み方をするようにしています。
Soutarou>ただ、この表現はむずかしくて、方向をうまく表現することができません。
Soutarou>ボードの動いていこうとする方向をイメージしてやると、うまく行くのでは
Soutarou>ないでしょうか。
この点はメールを送った後でもしばらく首の体操をしながら考えていたので
すが何となく井上さんの言われる回転方向がイメージできたような気がしま
す。HPに書いてある表現では「のけぞる」とあったので、この表現にとら
われてイメージできずにいたのですが、どちらかというと肩越しに振り返る
というイメージでしょうか?これならば私のイメージと異なるのは首の角度
だけなんですが(方向は同じ)。

Soutarou>差し支えなければ、ある時点で皆さんからのご質問と回答をホームページ上に
Soutarou>公開していきたいと考えています。もし支障のある場合にはご連絡ください。
公開していただいて構いません。ただ、名前は少しはずかしいかな(笑)。
今後とも充実したページを期待しています。


Sotaro Inoue
井上 壮太郎
SOTAROS@ocean.or.jp
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