How to MAKE The First BACK ROLL
初めてのバックロール
Back side Back Roll
バックサイドバックロール
はじめに
さて、それではお待ちかねの「初めてのバックロール講座」を始めたいと思います。バックロールをはじめとする縦回り"Inverted Trick"の技には誰でもあこがれますね。ウェイクボードを始めた以上はどうしても一つは縦回りができるようになりたい、とは誰でもが思うことでしょう。「ウェイクボーダーには二種類しかいない。それはロールができる奴と、ロールができるようになりたいと熱望している奴だ。」なんて言葉があるくらいです。つまりロールができなくてもいい、なんて人はいない、ということですね。これはほんとうに名言だと思います。
できるまでにどのくらい時間がかかるの?
僕自身はウェイクボードを本格的にはじめて4、5年だと思います。ロールに挑戦したのはおととしから。一昨年は一年間フロントサイドのバックロールにトライしていましたが、さっぱりできませんでした。惜しいところまではいくのですが、どうしても完成しません。そして、昨シーズンも最初はフロントから練習し始めたものの、あまり上達が実感できません。試しに、と思ってバックサイドのロールに切り替えてみました。そうすると調子が良く、なんと4日目に初メイクしてしまいました。ですから、実質1シーズンとちょっとかかったことになります。ウォータースキーの世界では、ロールのことをフリップというのですが、「フリップは300回トライすれば、できる」と言われています。 僕はその後大会でも成功し、何度か人前でエキジビションのようなことをやっていますが、その都度成功しています。確率としてはたぶん、50%強程度だと思いますが、大勢の前で気合いを入れてやるときははずさない程度までは成功率が上がってきています。今年はフロントサイドのロールとタントラムを完成させたいと考えています。僕は長いことウォータースキーをやっていたので、多少はもともと素養があったとはいえ、年寄りですし、ウォータースキーもやりながらですから、まあ、平均的なペースではないでしょうか。これからの1シーズンを本気で取り組めば、ロールの一つくらいは必ずできるようになると思いますよ。
最初に取り組むべき縦回りは何か?
縦回りにはいろいろあるんですけど、なにが一番簡単なのでしょうか。ある人はタントラムが一番簡単だと言います。事実僕の知っている人でもロールはできないけど、タントラムならできるという人もいます。一番最初にフロントのバックロールからできるようになったという人もいます。ロールの練習をえんえんやってもなかなかできないと、つい自分は遠回りをしているんじゃないか、なんて考えてしまいますよね。思い切ってエアーレイリーや、スケアクローにトライして惜しいところまでいったりすると、なおさら、何から始めるのがいいのだろうか、と考えてしまいます。僕自身は今までタントラムとフロントロールはともにたった一度だけできたことがあります。そんな僕は、はじめてトライする縦回りとして、やはりバックサイドからのバックロールをおすすめしたいと思います。その理由はこのあと技術的な解説をするなかで明らかになっていくと思いますが、その前にトリックの得点表を見てみてください。やはりバックロールが一番点数が低くなっていますよね。(950 POINT)
どこまでできたら、ロールに挑戦していいの?
寺田プロなんかにお話をきいていると、「最近の若い人はなんにもできないのに、いきなりロールやらレイリーやらに挑戦して怪我したりするんで、困るよ」なんていうことをよく言っていますね。どこかで出会った若いヤツに突然「モビウスってどうやったらできるんスか?」なんて聞かれて面食らうそうです。 僕は勇気を出して大きなトリックに挑戦することはとてもいいことだ、と思っています。あんまりうるさいことを言わずに、思い切ってやってみたらいいと思います。少しばかげたくらい大技に挑戦するのもいいですよね。鹿島では一本の滑りのうちの最後の2回くらいは「なんちゃってロールー!!」とか「なんちゃってタントラムー!!」なんて言いながらトライするのをみんなで大笑いしながら楽しんでいます。 ただ、そうは言ってもただやみくもにつっこんで怪我をしたのではつまりません。ある程度の技術と前提になる条件があります。
1. 完全な2ウェイクジャンプ (3種類の飛び方で)
2. 自由にエッジコントロールができること
3. ビデオなどによるイメージづくり
4. トランポリンなどで体に動きを覚えさせること
たんにおふざけで挑戦するのでなくて、ちゃんとロールができるようになりたいのだとしたら、上に述べたようなことを、水の上でロールに挑戦する前に経験しておいた方がいいと思います。1.2.のようなことがほんとうにできるようになるには、やはり何カ月かは毎週のように滑り込んで、大きなウェイクジャンプを自由に飛べて、スノーボード系のトリックをいくつも完璧にこなせるくらいのテクは必要になってくると思います。別に、得点としては下のヘリコプターができなければ、とか、スノーボード系を完全に究めなければ、という必要はありませんが、ボードコントロールが自由にできることは必要です。そこらあたりがロールに挑戦する資格の目安ではないでしょうか。気を持たせて申し訳ありませんが、今回はここまでです。次回は上に述べたような技術や練習方法について順番に取り上げていきます。まあ、シーズンインまでにはまだしばらく時間があると思いますから、じっくりとおつきあいください。(^^) 97.1/15