2022.11.14
先川知香の乗って感じた!
第15回
池田宗敏選手、筑波選手権TC400クラス6連覇!
今回は、iBが永年サポートしている池田選手についてレポートします。
以前、井上ボーリングで働く従業員の人たちにインタビューをさせて頂き、その強い個性と技術力、そしてそれぞれの業務に対する想いの強さを紹介しましたが、「仕事は楽しくなくちゃ」と考える、未来志向でチャレンジ精神旺盛な井上社長の元に集まってくるスゴイ人は、従業員だけではありません。
今回ご紹介したいのは、井上ボーリングのサポートライダー!茨城県下妻市にある筑波サーキットで開催される、筑波ロードレース選手権 TC400クラス 6連覇中の池田宗敏選手です。
池田選手と井上ボーリングの出会いは、現在井上ボーリングで製造開発部長を務める小林丈晃さんがきっかけ。小林さんが入社する以前から友人関係だった池田選手は、小林さんの転職をきっかけに、井上ボーリングの存在を知ったそうです。
そして、社内チームでミニバイクの耐久レースに参戦した際に、チームに加入。そこから、現在の関係へと発展していきました。
そんな池田選手がレースを始めたのは、 30歳になった記念。
「それまでは 4輪でサーキット走行を楽しんでいたのですが、 4輪はレース車両と街乗り車両の隔たりが大きくて、レースをするにはお金がかかりすぎます。そこが 2輪は差が小さいので 4輪よりリーズナブルにできる思い、当時街乗りを楽しんでいた 900㏄の CBRで走行会などに通い始めたのがきっかけでした。
以前からレースをするなら 4輪より 2輪の方が自分に合っているなと感じていて、 2輪のレースを始めたいと考えていた時に、タイミングよくレースを辞めるという友人がいたので、その友人から買い取ったのが、今もレースで使用している 400㏄の CBRです。譲ってもらった時点で、サーキット走行仕様になっていたので、そこから 22年間この CBRでレースをしています。」
2000年にバイクレースを始めた池田選手は、今年 (2022年 )も筑波ロードレース選手権のシリーズチャンピオンを獲得したマシン一筋で、 22年間レースをし続けていると言うのです。
しかも、そのマシンはレースをしていた友人から譲り受けた車体。そうなると、前オーナーがどれほどレースをしていたのかは分かりませんが、少なく見積もっても 30年弱、レースという過酷な環境下で走り続け、今なおシリーズチャンピオンを獲れてしまうほどの性能を発揮し続けていることになります。
そうなると、もちろん 6年連続シリーズチャンピオンという池田選手のライディングスキルや体力も驚異的ですが、この CBRの耐久性にも驚かずにはいられません。
「やり切っていないのに途中で買い換えるのは、性分的に嫌なんです。逃げるみたいで (笑 )当時、 CBRは一番勝てないバイクと言われていて、勝ちたいならカワサキみたいな風潮があったのですが、実際にレースもほぼカワサキ一色でしたしね。でも、それでカワサキに乗り換えちゃったら、つまらないじゃないですか?
勝つ以前に、このバイクの性能をまだ引き出し切れていないのに、他のバイクの方が性能がいいというのは言い訳かなと思うんです。だから、この CBRで行くところまで行って、壊れて、もう直せない状態になったら、それから乗り換えてもいいかなって思っていたのですが、井上ボーリングさんのおかげで、エンジン関係は直ってしまうんです (笑 )」
この CBRで 22年間戦い抜くことができた裏では、井上ボーリングの高い技術力に何度も助けられたそう。
「例えば、アイデアだけじゃモノって作れないじゃないですか?アイデアが思い付いたらメカニックと検討し、理論的には行けそうだってなったとしても、それを形にするには金属を加工するなどの技術を持っている人がいなければ、作れない。
しかも一般的なスペシャルパーツを作っているようなバイク屋さんじゃ手に負えないレベルで厳密な管理をしなきゃいけない場合とか、そういう時に明確にどういう物が欲しいのかを示せば、井上ボーリングさんは形にしてくれます。」
これは、長年築き上げてきた関係性があるからこそ成り立つ話ではありますが、井上ボーリングで ICBM化してパワーが出るようになったエンジンは、レースなどの極限状態で使い続けていると、どうしても強化されていない部分に負担がかかって壊れてしまうというアクシデントも起こり得ます。
それを防ぐ対策パーツを、池田選手のアイデアと井上ボーリングの技術力を持って開発することで、池田選手の CBRは 22年間レースの最前線で走り続けても、今なお現役で戦えるマシンに仕上がっているのです。
そんな池田選手のレースへの情熱は、どこから来るのでしょうか。
「レースって辛いことばかりですよね。金銭面とか怪我とか・・・。ただ、井上ボーリングさんをはじめ、応援してくれる人たちもいるし、応援してくれている人って応援と同時に期待もしてくれている訳で、期待は裏切れないというのももちろんあるし、まだやり切ってない。極限まで、行ってないんです。多分、レースが好きなんでしょうね。」
22年間共に戦い続けている CBRで、ディフェンディングチャンピオンの座を守り続けることが現在のモチベーション。まずは、筑波サーキットのラップタイム 1分 0秒を目指し、 23年目の CBRで挑戦を続ける池田選手を、ぜひ応援してください。
文/モータージャーナリスト 先川 知香
実は以前にはiB Ladyとして池田さんを応援していたこともありました。
2014年6月21日 DE耐@ツインリンクもてぎにて
『左からiB Lady 秋山ナオさん(当時)、池田宗敏選手、iB Lady 先川知香さん(当時)』
池田選手は現在筑波選手権TC400クラス6年連続チャンピオン継続中。
しかも今年は4戦全戦優勝の完全優勝。
さらには現在同クラスのレコード 1’01.063 (122.038km/h)も保持という完璧ぶり。
今回ご紹介したいのは、井上ボーリングのサポートライダー!茨城県下妻市にある筑波サーキットで開催される、筑波ロードレース選手権 TC400クラス 6連覇中の池田宗敏選手です。
池田選手と井上ボーリングの出会いは、現在井上ボーリングで製造開発部長を務める小林丈晃さんがきっかけ。小林さんが入社する以前から友人関係だった池田選手は、小林さんの転職をきっかけに、井上ボーリングの存在を知ったそうです。
そして、社内チームでミニバイクの耐久レースに参戦した際に、チームに加入。そこから、現在の関係へと発展していきました。
そんな池田選手がレースを始めたのは、 30歳になった記念。
「それまでは 4輪でサーキット走行を楽しんでいたのですが、 4輪はレース車両と街乗り車両の隔たりが大きくて、レースをするにはお金がかかりすぎます。そこが 2輪は差が小さいので 4輪よりリーズナブルにできる思い、当時街乗りを楽しんでいた 900㏄の CBRで走行会などに通い始めたのがきっかけでした。
以前からレースをするなら 4輪より 2輪の方が自分に合っているなと感じていて、 2輪のレースを始めたいと考えていた時に、タイミングよくレースを辞めるという友人がいたので、その友人から買い取ったのが、今もレースで使用している 400㏄の CBRです。譲ってもらった時点で、サーキット走行仕様になっていたので、そこから 22年間この CBRでレースをしています。」
2000年にバイクレースを始めた池田選手は、今年 (2022年 )も筑波ロードレース選手権のシリーズチャンピオンを獲得したマシン一筋で、 22年間レースをし続けていると言うのです。
しかも、そのマシンはレースをしていた友人から譲り受けた車体。そうなると、前オーナーがどれほどレースをしていたのかは分かりませんが、少なく見積もっても 30年弱、レースという過酷な環境下で走り続け、今なおシリーズチャンピオンを獲れてしまうほどの性能を発揮し続けていることになります。
そうなると、もちろん 6年連続シリーズチャンピオンという池田選手のライディングスキルや体力も驚異的ですが、この CBRの耐久性にも驚かずにはいられません。
「やり切っていないのに途中で買い換えるのは、性分的に嫌なんです。逃げるみたいで (笑 )当時、 CBRは一番勝てないバイクと言われていて、勝ちたいならカワサキみたいな風潮があったのですが、実際にレースもほぼカワサキ一色でしたしね。でも、それでカワサキに乗り換えちゃったら、つまらないじゃないですか?
勝つ以前に、このバイクの性能をまだ引き出し切れていないのに、他のバイクの方が性能がいいというのは言い訳かなと思うんです。だから、この CBRで行くところまで行って、壊れて、もう直せない状態になったら、それから乗り換えてもいいかなって思っていたのですが、井上ボーリングさんのおかげで、エンジン関係は直ってしまうんです (笑 )」
この CBRで 22年間戦い抜くことができた裏では、井上ボーリングの高い技術力に何度も助けられたそう。
「例えば、アイデアだけじゃモノって作れないじゃないですか?アイデアが思い付いたらメカニックと検討し、理論的には行けそうだってなったとしても、それを形にするには金属を加工するなどの技術を持っている人がいなければ、作れない。
しかも一般的なスペシャルパーツを作っているようなバイク屋さんじゃ手に負えないレベルで厳密な管理をしなきゃいけない場合とか、そういう時に明確にどういう物が欲しいのかを示せば、井上ボーリングさんは形にしてくれます。」
これは、長年築き上げてきた関係性があるからこそ成り立つ話ではありますが、井上ボーリングで ICBM化してパワーが出るようになったエンジンは、レースなどの極限状態で使い続けていると、どうしても強化されていない部分に負担がかかって壊れてしまうというアクシデントも起こり得ます。
それを防ぐ対策パーツを、池田選手のアイデアと井上ボーリングの技術力を持って開発することで、池田選手の CBRは 22年間レースの最前線で走り続けても、今なお現役で戦えるマシンに仕上がっているのです。
そんな池田選手のレースへの情熱は、どこから来るのでしょうか。
「レースって辛いことばかりですよね。金銭面とか怪我とか・・・。ただ、井上ボーリングさんをはじめ、応援してくれる人たちもいるし、応援してくれている人って応援と同時に期待もしてくれている訳で、期待は裏切れないというのももちろんあるし、まだやり切ってない。極限まで、行ってないんです。多分、レースが好きなんでしょうね。」
22年間共に戦い続けている CBRで、ディフェンディングチャンピオンの座を守り続けることが現在のモチベーション。まずは、筑波サーキットのラップタイム 1分 0秒を目指し、 23年目の CBRで挑戦を続ける池田選手を、ぜひ応援してください。
文/モータージャーナリスト 先川 知香
実は以前にはiB Ladyとして池田さんを応援していたこともありました。
2014年6月21日 DE耐@ツインリンクもてぎにて
『左からiB Lady 秋山ナオさん(当時)、池田宗敏選手、iB Lady 先川知香さん(当時)』
池田選手は現在筑波選手権TC400クラス6年連続チャンピオン継続中。
しかも今年は4戦全戦優勝の完全優勝。
さらには現在同クラスのレコード 1’01.063 (122.038km/h)も保持という完璧ぶり。