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バイクを愛してしまったら、手入れしてあげたくなるのは自然なこと。


 
2021.04.09

最近手に入れたカメラです。

        文/iB 代表 井上 壯太郎
 

LEICA T
しばらく前のモデルを中古で買いました。

 
ものすごくシンプルなデザインを気に入っています。AUDIのデザインだとか。
APS-Cサイズのデジタルカメラです。念のため。
 

with AVENON 28mm f3.5レンズ
 

with Helios -89 30mm f1.9レンズ
 
 
LEICAのカメラというとどうしても昔ながらのレンジファインダーのモデルのイメージを超えることができない感じですが、このカメラはそのような呪縛から完全に自由であるところがいいと思うんです。
 
あと、SONYとかCANONの新しいカメラも性能はいいんでしょうけど、あの黒くて大きなプラスティックのカメラってどうも買う気になれないんですよね。
自分の持ち物としてはどうもなあ、と思ってしまいます。お好きな方には申し訳ありません。
 
その点、このLEICA Tはボディーがアルミの削り出し。Macintoshのコンピュータとも共通する感じですね。もっと言うと、アルミ削り出しのシリンダーにこれから本気で取り組んでいこうとしているiBにとって、目指すべき世界のようにも思えます。ちょっと重いですけど、でも小さいカメラなのでそれほど気にはなりません。
 

その新しいデザインのカメラにLEICA用のオールドレンズを組み合わせて遊ぶことができます。写真ではAVENONの28mmのレンズを付けています。この状態だとパンツの前ポケットになんとか入ります。僕のいつものNAPAPIJRIのカーゴパンツのサイドポケットなら難なく。
 
L39のレンズを取り付けるためのマウントアダプターなんですが、焦点工房というところのヘリコイド付きのMバヨネット用のものにL-Mリングを重ねています。
レンジファインダー用のレンズは最短撮影距離が1mまでしか寄れない物が多いですが、このヘリコイドを使うとぐっと寄れてマクロっぽい写真も撮れるんですよね。これが大のお気に入り。
 
前から持っているバルナック型のLEICA IIIaも今でも大好きです。フィルムの味わい深い写真もいいものですよね。それに、いつまででも修理して使えるという永遠性ではこちらに安心感があります。

 
でも、今はLEICA Tに夢中です。

LEICA Tは純正の新しいレンズと組み合わせても、ピントを合わせるのがちょっと遅いそうです。
 
でもね、マニュアルフォーカスの旧いレンズでも、広角レンズで絞り込んでおけば、近くから遠くまで全部ピントがあってしまうので、ピントなんか合わせる必要はないんですよ。どんな最速のオートフォーカスより上です。最初からあってるんですから。(笑)
 

被写界深度の浅い(ボケ味のある)写真を撮りたい時は絞りを開いてやればカメラ本来の使い方でフォーカスリングでのピント合わせを愉しみながら撮ることもできます。
最近はスマートフォンでもソフトウェアの処理で似たようなことができます。でも、スマホのボケモードは結局擬似的なもので、オートバイを撮るときにスポークの間の遠景にピントが合っちゃうなど、かえって変な感じになったりします。
 
 
LEICA Tならそんな心配もなくレンズ自体のボケ味を安心して愉しめます。「スマホがあればカメラはいらないかも」と考えてしまうのはつまらないことですが、そんな味気ない考えは払拭することができます。
あと、AVENONのレンズは逆光だとフレアやゴーストが出ます。オールドレンズならではのそんな味わいを愉しむこともできてしまうんです。
 
最強でしょ?
 
ポケットに入る機械。こんなに素敵なモノって他にはなかなかない気がします。
持ち歩ける男のアクセサリー。女性のアクセサリーとは違って男の持ち物は美しいだけではなくなにか機能がないといけないですよね。時計がその最たる物でしょうけれども、カメラもいいかな、と思います。
 
そういう視点で選ぶ場合には、最新のハイスペックなカメラはかえって選択肢として厳しいものがあります。せっかく高価ないいカメラを持っても、カメラオタクのようにしか見られないとしたら、悲しすぎます。
世界を視る目を補強してくれるための道具としてカメラをみる場合にも、ピントが合うスピードの速さとかセンサーのサイズだとかは少しも重要ではありません。
 
むしろ、カメラもそれを持つ者の知性や個性をいかにうまく伝えてくれるか、という男の持ち物としての機能が最も大事なことなのではないかと思います。
そして、写真を撮るという行為をどれだけ深く愉しませてくれるか、ということではないでしょうか。
 
それにはこのくらいの小さなカメラであって、しかも上質で美しく、旧いレンズの味わいなど、こだわりのある部分も上手に伝えてくれるものがいいのではないかと思って、このLEICA Tを選んでみました。
 
僕はLEICA Tをポケットから取り出して、人とはちょっと違う視点で写真を撮る、ということが愉しくて仕方がありません。
 
LEICA Tで撮った写真を少し載せてみますね。
 

 
 
 

 

 

 

 
 
 
iB (株)井上ボーリング 代表 井上 壯太郎