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バイクを愛してしまったら、手入れしてあげたくなるのは自然なこと。


 
2021.03.13

旧い時計。

 写真/仁部 智成    文/iB 代表 井上 壯太郎
 

SMITH製の腕時計を
地元の時計屋さんで直してもらいました。

 
この時計、英国製でSMITHというマニュファクチュアのものです。
旧いクルマやオートバイのスピードメーターなどで有名ですが、時計も作っていたんですね。1954年製ということです。

 
この時計が先日から調子が悪くなってしまいました。なんと長針と短針がぶつかって止まってしまうんです。こんなこともあるんですね。
 

東村山の時計屋さんで直してもらいました。
日向時計店さん。
たぶん僕よりは年上の技師の方が一人でやっておられます。

看板の「古い時計もOK」の一言が頼もしい。
 
自分も旧いエンジンの部品を直す仕事をしているので、こういうお店のあり方がとても気になります。
 
以前からネットなどで旧い時計を手に入れては、壊れるとこちらに持ち込んで直してもらうんです。僕はあまり利益に貢献しない悪い客です。
でも、少しも嫌な顔もせず、かと言って余計なおしゃべりをするわけでもなく、黙々と修理をしてくれます。ありがたい。
 
僕はこのお店がなんだか好きなんです。ここに行きたいからわざわざ壊れそうな時計を買っているのかもしれません。
 

以前写真のライカをオーバーホールをしてもらったお店は先日調べたらなくなっていました。本当に残念です。速いシャッターが切れなかったのを直して、グッタペルカを貼り直してくれた良い修理屋さんだったんですが。
 
旧い時計やカメラって本当に魅力的です。時間がわかるとか綺麗な写真が撮れるとか、そんなこと以前にこの金属でできた機械の佇まいが、本当に素敵です。
 
新しいカメラをどうも買う気にならない一番の理由は、あのプラスチック製のボディーの味けなさです。たいした写真を撮りたいわけではないので、性能なんてどうでもいいんです。

 
オートバイを愛する理由も同じようなものです。速さなんてどうでもいい。金属でできた機械の美しさが何よりの魅力だと思います。

 
その点、時計は新しいものでもちゃんと機械としての美しさを持っているように思います。
 
時計のようなカメラができたらいいのにね。
それに、時計のようなオートバイが新しくできてもいいのに、とも思います。
 
いつか、僕も日向時計店さんで、一度はちゃんとした時計を買ってみたいものだと思っています。クオーツなんてダメです。いつまでも直してもらえる、金属でできたそれぞれの部品の形が仕事をすることで動作する、「機械式」の時計でなくては。
 

 
 
 
iB (株)井上ボーリング 代表 井上 壯太郎