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バイクを愛してしまったら、手入れしてあげたくなるのは自然なこと。


 
2018.08.03

夏の早朝ショートツーリング!(4)

 

SDRにICBM®シリンダーを搭載しました!

 さあ、大好きなSDRのICBM®化が完成しました!
さっそく早朝を利用してテストに出かけます。
 
 ところで、いきなり余談ですがバイクに乗って出かけて、いつも思うことがあります。毎度ですけど、こんな原始的なふざけたのりもので一般道でも高速でも走っていいっていうのがまず驚きですよね。
 
だって、4輪車なんて自動ブレーキだ、車線保持機能だって、ドライバーを全く信用しない機能がどんどん付加されて、それが高い評価を受けているわけですよね。確かに安全のためにクルマがそういうふうに進化していくことは必要だし、いいことだと思います。自動車メーカーのかたにはぜひ頑張っていただきたいです。
その一方で、日本の政府も太っ腹というか、ABSもなんにもついてないSDRのようなバイクで高速道路なんか走っちゃうことがまったく自由に許されているんですよね。逮捕されたりしないんですよね? これって素晴らしくないですか?
まあ、2輪車の存在自体が止まっていると立っていられない。走り出してもライダーが上手にバランスを取っていないと倒れてしまうって言う、そんな曲芸みたいなことをやりつづけて乗るというふざけた乗り物ですからね。
 
まあ、おそらく大昔からそういうものだったから、今さらその存在を否定はできないから今も2輪車なんていうものが存在できているんだと思いますけど、あれだけ進化したセグウェイなんかですら公道走行は許されないのに、、、、ねえ。
 
でも、バイク好きとしては、ぜひぜひこのままの状態を続けていただきたいと切にお願いしたいですが、僕たちは許されている今のうちにバンバン乗りたいものだなあ、とほんとに思うんです。もちろん安全には最大の配慮をして、ですね。
 

 
今回は夜明けに秩父まで走って来ました。いろんなシチュエーションでSDR-ICBM®の走りを試そう、ということで行きは家から国道から峠越え、帰りは関越高速で会社までというとても遠回りな通勤出社です。
 
今回のSDR-ICBM®シリンダーはφ66mmのスタンダードサイズ。インテークとエキゾーストのポートには柱を立てたもので、おまけにポートはSDR専門店ベルーガさんで軽く手を入れてもらってありフルバージョンのICBM®シリンダーです。といっても特別にパワーアップを狙ったりはしていません。なんといってもスムーズに回り超高耐久のシリンダーであることを目指したものです。
SDRも結構ポートが大きくて、偏摩耗しやすいポート形状ではあるんですよね。
 
SDRというバイクそのものの魅力についてはぜひ下記のThe SR Timesさんい掲載の記事もご参照ください。
 
SDR Times?
 
夜明けの国道・秩父までの峠道は極めて快適でした。道も空いていて、酷暑の中でも夜明けは涼しくてほんとうに最高です。

 
僕の基準で言えばSDRはもう「死ぬほど速い!」という一語につきます!まあ、前回イーハトーブで高速道路を走ったばかりの僕のいうことですから、そこは割り引いて読んでくださいね。それに、SDRで死ぬほど速いなんて言ってたら、自分も乗っているRZやiB得意のNSRやTZRはどう評価する気なんだ?って言われてしまうかもしれませんね。

でも、ほんとに僕はそう思うんです。SDRでも十分に死んでしまう程速いって。じゃあNSRは?って言われたら、、、、「もっと死ぬほど速い」そう言うしかありません。
そんなのバイクの評価じゃない、ですか? その通りですね。でも、いいんです。僕はバイクジャーナリストでもなんでもありませんし、心の底からそう思っているんですから。
 

 

早朝の人のいない秩父を満喫した後は、花園へ降りて関越へ。

高速に乗ってみると、高速走行がなんとも楽なんです!驚きました。もちろんこれも比較の対象は前回のイーハトーブとか、ですからね。ははは。ただ、それにしてもSRではだんだんに辛くなってしまう80km/hを超えてからも、風の乱暴さを少しもかんじないんです。100km/hでは全然ストレスを感じません。もちろん400ccのSRよりも2スト200ccと半分の排気量ながらもパワーはむしろ明らかに上のSDRだから、という点もありますが、それ以上に実はポジションの違いによる風の抵抗の差がとても大きいです。コンパクトな車体に大きく前傾して乗るSDRでは、風と戦っている印象はなく、風の中をすり抜けていってしまうような印象で、ほんとうにスムーズに高速を走れるんです。
僕は若い頃からあまり高速道路をバイクで走る経験がなかったのと、こんなにいろんなバイクに乗れるようになったのは割と最近のことなんで、こんなことも新しい発見で驚いてしまいます。
 
 
峠を走っていても、高速を走っていても、そしてせっかく死ぬほど速いSDRに乗っていても、僕はやっぱりたいして飛ばすわけでもありません。いつものように考え事をしたり、景色を味わいながら走るのが何より愉しいんです。そんな僕が今回小さなSDRを走らせながら考えていたのは、こんなことです。
 
ミニマリスム
最小限( minimal)主義( ism)から誕生し、必要最小限を目指す手法である。装飾的な要素を最小限に切り詰め、シンプルなフォルムを特徴としている
芸術や表現の手法ですよね、ミニマリスム。
 
僕はどうも複雑で巨大なエンジンを積んでとんでもない力を発揮するというような乗り物をあまり好きになりません。このSDRみたいなバイクがほんとに好きだなあ、とこの日も考えていました。
僕が好きなのはこのSDRやBULTACOのトライアルバイクや前回のイーハトーブ、それにYAMAHA SR、HONDA CL50、それにクルマだとHONDA BEAT、それにモーターボートでも一番好きなのは鈍重なクルーザーなどではなく軽くて小さくてパワフルなスキーボート(水上スキー専用艇)です。
 
考えてみると、どれもそれぞれのジャンルのなかでは一番小さくてシンプルなモデルであるように思います。
エンジンも2スト単気筒が一番いいような気がするんです。シンプルで。
 
どうしてどうせ100km/hしか出すことができない日本をバイクで走るのに1,000ccもの排気量とかピストンが4個も必要だったり、バルブが16本もないと走れないんでしょうか。ごちゃごちゃと無駄じゃないですか。2スト単気筒のSDRにはそんなものなんにも付いてませんが、十分以上に速く走れますよ。それこそ、死ぬほど速く。
 
実を言うとSDRには付いているラジエターや YPVSなんかもちょっと余計な気はするんです。でも、まあバイクは全体として小気味のいい小ささに美しくまとめられているし、そのくらいの逸脱は認めてあげてもいいかな、というくらいの感じです。
 
もちろん、これは単に僕の好みを言っているだけで、複雑な時計を愛する人がいるように、複雑で巨大なバイクを好きな人がいたってそれは一向に構いません。仕事の上でも多気筒のお客様はたくさんお支払いをいただけるお得意さんですしね。でも、自分自身はどうしても気づくとシンプルで小さくて美しいものを愛でてしまうんです。
 
 そんな僕の乗り物をに対する感じ方を一言でまとめるには「ミニマリスム」。この言葉がいいんじゃないかな、、、と、僕は今回はそんなことを考えながら「朝ツー」をしていたんです。
その中でも、特に美しく小さく宝石のようなSDRを表現するのに「ミニマリスム」はぴったりじゃないか!と今回また乗ってみて感じたんです。
 

 
そうそう、この「夏の夜明けのショートツーリング」を僕は略して「朝ツー」と呼んでいます。自分ではかなりこの言葉に慣れて来たんですが、僕の写真をFacebookなどで見かけて「朝駆け、いいですね!」と言ってくださるかたもいます。
 
 この「朝駆け」っていう言い方もすごくいいですね。特に夜明けに速いペースで走ることを愉しんでいるかたにはぴったりのいいかただと思います。
 
ただ。僕の走り方は上のように考え事や景色を愉しんでゆっくり走るほうなんで、「駆ける」という感じではないのですね。それでせっかくのきれいな「朝駆け」という言葉を僕はあえて使っていません。やっぱりこれは、短くてもツーリングなんです。
 
夏の朝のほんの短いライドとはいえ、心は旅をしているんです。
 
 
 
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